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糖尿病・地域連携ニュース

No.3 2015年3月発行
茅ヶ崎寒川地区糖尿病地域連携クリティカルパス協議会

 
茅ヶ崎・寒川地区の病院や関係団体から構成される「茅ヶ崎寒川地区糖尿病地域連携クリティカルパス協議会」では、地域の皆さんが糖尿病に関心を持ち、その情報を手軽に得られるように、「糖尿病・地域連携ニュース」を発行しています。糖尿病にまつわる最新の情報や是非知っていただきたいことを中心に掲載しています。今回は、診療分科会から、糖尿病の合併症や血糖コントロールに関する情報のお知らせです。

血糖値のコントロールについて

世界で急増している糖尿病。成人の糖尿病人口は4億人に迫る勢いです。日本は経済の高度成長や生活習慣の急速な欧米化により、糖尿病患者数は増え続け、次第に国民病と呼ばれるようになってきました。実際糖尿病患者は年々増えており、厚生労働省の平成24年「国民健康・栄養調査」によると、糖尿病が強く疑われる人は約950万人。糖尿病の可能性を否定できない「予備群」は推計で約1100万人と、合計で2千万人以上に上っています。
 
糖尿病が悪化すると、目や腎臓などに重い合併症が起こり、最悪の場合、失明や人工透析を受け続ける生活になります。動脈硬化などで命が危険にさらされることもあるのです。一方、初期は自覚症状が少なく、診断を受けていない人は半数を占めるとみられます。

 
糖尿病の医療の基本は生活習慣の改善により代謝状態とりわけ血糖コントロールを保つことにあります。日本糖尿病学会では治療目標をわかりやすい形で発表し、「熊本宣言2013」として広く国民に呼びかけていくこととしました。
 
HbA1c7%未満であれば合併症の発症リスクが少ないので、合併症予防のための血糖コントロール目標HbA1c7%未満とします。さらに、食事・運動療法で血糖の正常化が目指せるような患者さんは6%未満を目指します。逆に、罹病期間が長い、すでに合併症を有している、低血糖リスクがある患者さんは8%未満というように個別に目標を設定することになります (ただしこの目標は成人の目標値であり妊娠例は除く)
厚生労働省の調査では、「糖尿病患者全体の中断者は50万人以上」と推計されています。 受診を中断した理由として《1》仕事や学業が忙しい、《2》体調が良い - などが多いことが分かりました。患者が受診を中断しないよう、初診時に糖尿病の怖さを説明し、継続的な受診の大切さを伝えるとともに、かかりつけ医を持つことかかりつけ医と病院の医療連携を図ることが重要です。
 
茅ヶ崎寒川地区では、平成24年度から神奈川県の支援を受けて地域の医師会、歯科医師会、薬剤師会、看護協会、栄養士会、全5か所の総合病院の協力を得て医療連携を進めています。「糖尿病連携手帳」により患者と医療関係者が情報を共有し、医療連携をスムーズに行えるよう取り組んでいます。
医療機関や薬局にかかる際は、必ず「糖尿病連携手帳」を提示しましょう。

ご存じですか 歯周病と糖尿病の密接な関係!

糖尿病の人が歯周病にかかっている割合は、糖尿病でない人に比べ高いと言われています。さらに歯周病の方は、もともとインスリンを取り込むはずの物質が、インスリンの代わりに間違えて膿みを取り込んでしまい、血液中にブドウ糖が大量にあふれ、血糖値があがってしまう…ということも起こってきます。自分の口の状態を知り、家庭でできる予防を実行し、歯周病を予防しましょう。

「口は消化管の入り口、さあ始めよう糖尿病に負けない体づくり」

 

※茅ヶ崎寒川地区糖尿病地域連携クリティカルパス協議会では、今後も定期的に、糖尿病に関する情報をお届けしていきます。